あるアナログ世代の方にアルゴリズムって何だと聞かれた。 こちらもアナログ世代なので答える資格も無く、いろいろな本で調べてみた。 そのなかで一番フィットしたのは;
2009/02/22
アルゴリズムって何?
あるアナログ世代の方にアルゴリズムって何だと聞かれた。 こちらもアナログ世代なので答える資格も無く、いろいろな本で調べてみた。 そのなかで一番フィットしたのは;
8対2 パレートの法則
パレートの法則とは何で、どう仕事に使うものか。
不完全性定理 ゲーデル
コンピューターは人間を越えるのか、という点で期待と不安を子供のときから持っていたが、最近読んだコンピュータ入門本にその解があった。 ゲーデルの不完全性定理と呼ばれるもので、「計算不能の関数は、可能な関数よりも多い。 コンピュータは計算可能な関数しか扱えないところに限界がある」ということが判った。 この定理は論理学、哲学にも入っていく、相当深いものでとても私には正確に理解できない。 が、おそらく「自分自身の矛盾を数学では証明できない。」ということで、ひらたく言うと「数学で証明できないことがある。」と言っているように思える。 特にある次元の問題を解くにはひとつ上の次元から俯瞰しないと解けない。 これは曲解かも知れないが、「数学で商売は測れない。」と受け取れば、MBAで学んだ数学的に全てを評価する手法だけでビジネスを語ると飛んでもないことになる・・と言えないだろうか。
2009/02/19
イラク戦争に見る破壊の恐怖と人間の強さ
先週横浜市が主催する国際交流セミナーに参加して、駐日イラク大使の短い講演を聴いた。 イラクの歴史から先の戦争と現在を語るものだった。 聖書に出てくるサマリア人とはシュメール人の事だったかと、英語と日本語を交えたブレゼン資料を見ながら一つ賢くなった。
戦争による街の破壊と殺戮は嫌というほど報道されている。 話の中で驚いたのは湾岸戦争以降の経済封鎖や戦争によって、貨幣の購買力が一万分の一になったこと。 大学の教授などは生きるために本を道端で売ったそうだ。 中流階級は壊滅的な打撃を受けたとのこと。 世界第三位の石油埋蔵量を持つこの国はもともと大変豊か。 貨幣購買力は世界トップクラスだった。 ブルネイのようなものだったのだろう。 戦争というのは破壊である。 自分の資産がある日突然一万分の一になって果たして生きていけるか、生きる気力が残るだろうかと思う。 それでも大多数の人々は生き残り、生き続けようとするところが人間の強さだ。
いまのイラクで最も多い年齢層が19歳というのも驚く。 戦いで亡くなった、医療が行き届かず亡くなった人も増えた、この大使一家のようにアメリカに亡命した知識人や富裕層がいなくなった。 いろいろ理由はあるものの、これだけ平均年齢が若いというのは大きなチャンスであるとともに、知識や熟練をどう伝えるかが大変な課題であろう。
いまイラクに必要なのは、電気、通信、水のインフラ。 そして教育と医療。 ただそれさえ整えば地力のある国民であり、かつ石油の埋蔵量によって急激な成長を遂げる可能性がある。 課題はテロを撲滅できるかどうかだろう。 事実、商売熱心な日本企業ですら、イラク進出はみな躊躇しているようである。 まずは治安の安定化。 アメリカの責任、それを支えた日本を始めとする各国の勤めでもあろう。
2009/02/11
モチベーションを測る12の質問
脳を冴えさせる15の習慣
2009/02/04
戦略と戦術の違いは・・・
彼の答えは;
Tactics is What
Strategy is Why
なるほど。
2009/02/03
行政の苦手なこと -地域医療のセミナーから
いまの医療現場の大変な状況を知ると共に、医療関係者だけで解決しようとしても限界があるなあ、というのが感想。
そのセミナーの中で、講師が質問に答えるなかでつかったフレーズが記憶に残った。
医療はその地域の人々と連携していかないと強化できない・・という前段で、「行政は、公平性を基準に活動します。その地域の連携を行政がやろうとすると、この人を呼ぶならあの人も呼ばないとマズイ、この団体に声を掛ける以上、あの団体にも声掛けしないと後でクレームになる。 行政は地域を纏め上げるということが苦手です。」と話をしていた。
成る程行政は「公平」「機会均等」というところに目が行く。勿論本音と建前を使い分けるのも行政ではあるが、少なくとも公的な活動をするときには公平という建前を前面に出す。「そうしないと後で問題になるよ。」ということだろう。 ちなみに同講師によると、NGOであるとか、地域のカリスマ的指導者がその地域を纏め上げるのが実態だそうだ。
苦手なことを行政にやらせようとしても無駄だろう。
GOAL! TOC理論について
社会人になってから何冊も読んだビジネス書の中でもベスト3に入るのが、このDr. Goldratの書いた「ゴール」だった。 大変気に入ったため、欧州、中国の赴任時代にスタッフに配ったことがある。 サプライチェーンマネジメント、というか、生産現場での工程管理によってどう生産高を上げ、在庫を減らすかを解いたのがTOC (Theory of Constrain 制約理論)である。
ゲーム理論 : 戦略的思考とは何か?
いまでこそアマゾンで「ゲーム理論」で検索すると1,000件以上の本が出てくるが、この本は1991年の刊行というからゲーム理論をビジネス向けに紹介した本としてはかなり初期だと思われる。当時役員のスタッフ部門に居たことから自分には不相応なこの題名の本を手に取った。数学的思考が不得手な私には難解この上ない本だったが、それでも知的好奇心を刺激された非常にいい本である。
囚人AとBが居て、それぞれ裁判に掛けられるが相棒を裏切って告発すると自分の刑は軽くなり、相棒は極刑となる。双方が黙秘を決め込むと証拠が弱くなるので双方の刑は軽くなり、逆に双方ともに相手を裏切れば重罪になる。前提として囚人同士は連絡を取り合えないとすると、囚人たちはどういう行動を取るだろうか。その場合、通常自分自身の保身を最優先として考えると相棒を裏切るのが一番いい。ところが双方がその行動を取れば結局重罪になってしまう。
私は大学時代のサミュエルソン経済学で習った「構造の誤謬」を思い出す。自分のことを考えて消費せずに貯金をする。世の中の人が全てそうすると消費が冷え込み、景気が悪くなる。それと同じパラドックスが生まれる。
ただ面白いのが、現実にはこのゲームを変えることが出来ること。まず囚人はあらゆる手を使って相棒と連絡を取るだろう。すると協調できるかも知れない。あるいは仮病を使って公判時期をずらそうとするかも知れない。そうすると相棒がどういう手を取るか判る。 つまり競争相手との利得をこの表の中で想定し、時間、場所、情報などのルールを変えることにより結果を変えられる、ということである。 つまり自分と相手との利得をどうすれば最大にすることが出来るか、を追求している。そして協調を有効に利用せず、自己の利益のみ追求すれば、破滅的な結果になる、という結論を導き出す。またゲームの「場」や「ルール」を変えることによって逆転することも教える。数学的に言えば係数を変えてしまうことで関数の解を変えてしまうということだろう。国と国の駆け引き、ビジネス上の駆け引きにも応用できる、と学者が考える所以である。 実際アメリカの大学ではこのゲーム理論を実践的に教え込んでおり、外交交渉や企業のM&Aなどに利用している。日本人の交渉術が真っ正直なことを考えると、ちょっと恐ろしい。
この理論を普段の生活に役立てるというのはなかなか難しく、この本の続編でも筆者がタクシー運転手を相手にゲーム理論による挑戦を試みるが大失敗に終わるというエピソードはほほえましいのと同時に、理論を現実に応用することの難しさも示唆している。もっとも最近は「ゲーム理論トレーニング」などという本が実践問題を解きながら習得する仕組を提供している。まだ全部読み終わっていないが(というかかれこれ数年たな晒し)、より深く考えてみるのにいいと思われる。
いろいろゲーム理論を読んだ中でいくつかのフレーズが記憶に残る。
■「ゲーム理論とは強いものが勝ち続けることを証明した理論だ。」これは数学的にその通りである。80:20理論(パレートの法則)や、ランチェスター戦略も突き詰めれば同じ結論を導き出す。このフレーズの著者は、これに気付くと救われない気持ちになる、というニュアンスを述べていた。庶民の私もそう思う部分が多いのだが、長い歴史の中では盛者必衰であるように、人間は必ずしも合理的な行動は取らないので、勝者と弱者は常に入れ替わっている。
■「一度目の裏切りは許し、二度目の裏切りには徹底的に反撃せよ。」これは実際のゲームを何度も繰り返す中で、最も利得の高い組み合わせを探す結果導き出された経験則である。その後数学的にも実証されていたと記憶する。このフレーズは結構好きで、人生則にも相通ずるものがある。同時にアメリカの軍事戦略もこれなのだろうと9.11以降のアフガン戦争、イラク戦争を見て思った。現実はもっと複雑な要因が絡んでおり、巧く行かなかったどころか、世界不況の伏線となったのは誰もが知るところだが。