2012/06/09

「財」の成り立ち・・1

 所有の概念というのは、農耕の開始と同時期だそうである。
狩猟民の場合は「共産」であり、誰かが獲物を取り、それをみんなで分ける。もらった肉を分けてもらって当たり前、そこに感謝の言葉をかける必要はない。お互い様だから。パプアニューギニアなど原始的な生活をいまでも続けている住民の慣習としてまだ残っている。
 農耕が開始されると大切になるのが植物が育つ土地である。そこから食料が生まれ、「所有」の概念が出来てくる。これは財産として認識されて、村同士、個人同士の戦いが生まれてくる。古代遺跡の発掘をするなかで、戦いが大規模化する時期と、農耕が開始された時期ははっきりと一致するそうである。
 同時に戦いが多くなると、リスクが増える。そのリスクマネジメントとして中和が必要になってくる。これが村同士、あるいは村の中でのご馳走を振舞うイベント、つまり親睦を図る必要性が生まれてくる。これが祭りとなり、儀式や宗教につながっていくのだ。