ドイツ経済が調子いい。 為替に寄るところはもちろん大きい。 2008年8月と2012年1月を比較するとユーロは10%以上も下落している。 一方、日本円は25%に迫る上昇率。 あわせると35%違えば、勢いも違う。 ただ、ユーロ安の恩恵を得ているはずの欧州各国はドイツを除いて景気が悪い。 いま行き場を失ったユーロは好調の続くドイツに流れ込んでいる。
あるドイツメーカーの本社重役の方は、ドイツの強さの秘密は全体の90%以上を占める中小企業(ファミリーカンパニー)だとしている。ダイムラー、BMW、シーメンスなどの世界企業は大きな影響を持つものの、ドイツ全土にいきわたる中小企業が誇りを持って、特徴とする「長期的な」視野で人を育て、技術を生む姿勢だ、と話されていた。
日本も中小企業が多い国のひとつであり、国際競争力の源泉だ。 とはいえ、定量的なデータはないが、ドイツの中小企業のように自らの技術を開拓し、販路を創り上げて、国際的な経営を目指すというよりは、大企業の下請けが多いように感じる。 言ってみれば、雇用市場における「派遣社員」的な位置づけなのではないだろうか。
2000年前後まで、ドイツは景気が非常に悪かった。 東ドイツ併合から端を発した財政、社会問題が一気に噴出した時期。 それを克服してさらに成長を続けるドイツは、シンボルの黒鷲がどんなもんだと胸を張って見える。