2011/06/11

大先輩からアドバイスを貰うということ

 自分の年齢が上がってくると、会社生活の中では仰ぎ見るような年齢差の方からアドバイスを受けることは少ない。 先日日本を代表するある家電メーカーの相談役(十年以上前に社長を勤められていた方)とお会いする機会があった。 上司の英語の通訳をしているうちに、「ところで君は勉強をしているか。年は幾つか?」と聞かれて、「いや、もう大して勉強はしていません、もう若くなく50を超えました。」と答えると、「まだまだこれからじゃないか、どっぷり勉強せなならん。 何をやっているのか。」と優しく苦言を呈された。 いまふうな表現で言うと「いじってもらった」と言うのだろう。 また会う機会があれば、創業者の話や、そのメーカーがかつて大変な苦境にあったときに、どういう気持ちで難局にあたられたのか聞いてみたい。 
そういえば、経営者だった祖父にも聞きたかったことがいろいろある。 最近になって知ったが、戦前の日本を代表する企業家の知己を得ていたようだ。 怖い存在だったが、歳を経てやわらかくなっていた。 毎晩の長時間の晩酌に付き合うのが面倒で、さっさと自分の部屋に引き上げていた。 いまとなって思えば、というより寧ろビジネスの世界を一通り経験しつつあるいまだからこそ聞いてみたかったことが沢山ある。
教えを請えるというのはかけがえのないことである。 ただ、その機会を逸することが多い。 いつの間にか、自分よりも相当長く経験をされた方からアドバイスを得ることがなくなる年齢になった。 でもまだチャンスは残っている。