大学のOB会に参加した。 先生は80を越えてまだしっかりされており、「君の原点はどこにあるのか?」、「それは世のための役に立っているのか?」などと、大企業の役員をしているような先輩方ですら、グッとつまるような質問をするどく投げかけられていた。
人は生きていくのが義務。 人が生きると書いて人生。 言葉は力。 それを発信して社会を動かすことができる。 足は前に歩くためについている。 などなど。
この会で、ある資格をお持ちで、それによって27歳で独立され、今日に至っている先輩の話を伺い、関心したことがあったので覚えに書き込んでおく。 若くして独立され、資格があると言っても決まった顧客がいるわけではないのに、最終的には大企業や霞ヶ関から仕事がくるようになり成功を収められている。 何がきっかけで順調になったのですか、の問いかけに「自分の仕事の進め方、プロセスをすべて開示し、お客様と一緒に考えて、最終的にお客様に判断してもらうようにした。」というお答えであった。
これは実に学ぶべきことだと思う。 何かを請け負う。 当然条件はあらかじめ決めて契約するものだが、出来上がって引き渡してそれで終わり。 瑕疵がなければそれで、ビジネスとしては完結している。 ただ、顧客から見るとその間はブラックボックスになっているので、最後になるまで結果が判らない。 同時に請負側にどういう苦労があるかも判らない。 ひょっとしたらその間に、顧客にとって大きなリスクが発生していたかも知れず、あるいはもっと良い結果が得られる可能性をみすみす失っているかも知れない。
契約後、自分が何をしようとしているか。 それによってどんなことが起こりえるのか。 それをすべて開示することは請負側からすると勇気の要ることであると同時に、顧客から余計な指図が入るリスクでもある。 そこを敢えて、オープンにする、それによって信頼を勝ち得る。 こう書くと基本的のように思えるが、それを実際にできている会社は殆どないのではないか。