筆者は営業経験が長くセールスマンとして実績のある方らしく、経験談から語っているので説得力がある。 その「秘伝」を100も挙げているのだが、さすがに100も覚えきれない。 せいぜい5つ、理想的には3つ程度覚えられれば上出来の私の記憶力なので、20倍濃縮にして書いておく。 冒頭の3つが私にとっては最重要。
壁の花という言葉を思い出すが、営業分野に長い割には、雑談が苦手である。 目上の人をつかまえて、アレコレ長く立ち話をしている人を見ると、いったいどういう話題があるのか不思議でしかたない。 初対面のお客さんと話をしてもオフィシャルトークが一段落すると、はて何を話し始めたものかと、沈黙を恐れるあまり余計な話を始めてしまい、話している途中でこれをどう着地させたものかと、パニックになっていることもある。 ということで読んでみた。
大前提として、雑談とは何か、どの位大切かを理解するべし、と語られている。 ビジネスとは人と人のつながりの中から生まれてくるもので、そのためにはお互いを知り合う必要がある。 たかが雑談と侮れないのは、雑談によってお互いの人間性の理解が深まるから。 実際のところ、この筆者の経験では、契約を取った後のキャンセル率は、雑談の長さと反比例するそうである。 最近、生きていく楽しさと言うのは、自分と違う経験を持った人と、どれだけ数多く知り合うことができ、学ぶことが出来るかではないかと思うことがある。 雑談はその重要な入り口ということだ。
- 沈黙の恐怖を克服するには、相手に集中すること
恐怖感を感じるのは、その間に自分がどう思われているかに意識が集中してしまうから。
- 相手の口をなめらかにするには、苦労話、自慢話、感動話
社会的に成功した人は特に苦労話が好きらしい。またそこから成功哲学を聞けるチャンスでもある。
- 言葉の最後を質問で終わらせると会話が途切れない
ろうろうと発言した後でしんとなってしまい、言いっ放しの恐怖を感じることがある。 つい知識をひけらかしてしまったかと反省してしまうのだが、「・・と思うけど、どう?」とか、「・・って経験ない?」という終わり方がいい。
- 相手の話の後で、「どうしたいの?」「どんな?」「なんで?」でオープンクエスチョンにすると広がる
- 聞きにくいことを聞くときは「・・・ではないですよね?」
- 名刺交換をしたらじっくり裏表を見て質問する
ろくに見ずにしまうのは礼儀違反ということもあるが、名刺に書かれた情報を話題に利用することも出来るし、何より相手に関心を持っていることを伝えることが出来る。
- 視線は斜め下、うなずきは相手に同期
心理学的な実験だそうである。 考えるときは視線を下にする、相槌は同じペースですると、相手に心理的な圧迫をあたえない。
- 木戸に立ち掛けし衣食住で話題探し
気候、道楽(趣味、テレビ、映画、スポーツ)、ニュース、旅、知人、家族、健康、仕事、ファッション、グルメ、家(住まい、出身地)
- 人脈の作り方
質より量。 一回じっくり話すのと、数回ちょこっと会ったのでは、後者の方がつながりが多い。 30分一回よりも、10分3回の方が効果が大きい。
家内にあなたは人の話を聞いていないと言われる。 確かに聞きながらも、次の話題を準備したり、聞いた言葉から別なことを連想し始めたりすることが良くあり、悟られると不誠実にとられてしまいがち。 相手に集中していないということだろう。 その意味をこめて順番を決めた。