2010/02/22

事業計画を作るとき

 大きな会社で、その販売部門の立場で事業計画を作る際の責任者の心構えというものを、先日ある人から聞いた。 これが100%正解かどうかは、その会社のポリシーにもよるという批判精神も持ち合わせた上で聞くべきだが、高い授業料だったので折角だからノートしておく。

1.本社の方向性を理解していることを示す
 会社たるもの、トップの意志、会社の戦略は絶対で、その実現に腐心する必要がある。 事業計画の全体を見渡して、その指示を実行しようとしているかどうかがまず重要。

2.過去、現在のReviewを行って自らの行動を解析する
 売上の状況報告は勿論だが、マクロ的にマーケットの状況を説明し、その上で、どういう対策を打ち、巧くいったか、巧くいかなかったらならばそれは何故で、どういう反省があるかを率直に述べるべき。

3.翌年の事業計画は、Reviewをなぞる
 Reviewをベースに、市況はどうなっていくのか、それに対して、前年の反省を元にどういう手を打つかを書く。

4.売上計画を市況そのものとリンクさせない
 市況が10%上がるから、売上も10%上がる。 あるいは下がるというように風が吹いたから船が動いたというのではその市場をマネージしていない。 マーケットが不活性なら、不活性なりに、可能性のありそうなセグメントを見つけて、どういう手を打とうとしているかが述べられている必要がある。 

5.強い商品をどう生かすか
 強い商品を巧く使う必要がある。 すべての顧客に使っているか。 すべての地域に使っているか。 強い商品をパッケージ化して弱い商品と一緒に売れる工夫をしているか。

6.リスクヘッジ
 もし打つ手が当たらなかった場合にどうするか、その準備がなされていないといけない。 2の手、3の手を用意しておく必要がある。

7.本社の指標
 指示が出ているいくつかの指標をどう改善してきたか、どう改善していく計画かが述べられている。 成長率、D/S、利益率等々

8.経営と変革のバランス
 変革には投資が必要だが、だからといって大赤字が許されるわけではない。 Transformationが求められている場合、そのための人的、物的投資をするから、SGAが上がりました、というのでは経営にならない。 増やすところは減らすところとパッケージにすることで経営のバランスをはかられていないといけない。

9.本社が描く成長戦略とのバランス
 本社がどうビジネスを大きくしようとして、どう構造改革をしているかを見極めて、自らの部門はそのコピーになるべく努力していることが示されている必要がある。 市場や構造的な問題で、自らの部門の状況は会社全体の中でかなり偏っている場合でも、全社戦略のどこかの部分を受け持っていることを示す。