2009/08/23

DNAの解読技術

 NHK教育の番組でDNAの解読技術の最前線を見て、いま大変なことになっていると知った。
クリントン時代にゴアが音頭を取って、人のDNAの全てを解読することを国家戦略として行っていた。 
ところが、現在は技術がさらに進み、あと数年もすると体温計で熱を測るような手軽さで自分のDNAを知ることができるそうだ。
  • 人のDNAは30億個の塩基からなっている。
  • 1985年頃は一日に読める塩基の数が1000個程度だった。
  • 1998年には92万個。
  • 2005年は7億個。 
    (4,000万円のコストが一人分のDNA解読に掛かっていた)
  • 2008年は10億個。
  • 2009年の最新式は30億個。 (300万円に低下)
  • 2010年には4200億個以上の装置が出てくる。 
    (2015年頃には一人当たりのコストは1000ドル程度になる可能性が高い)
 この読み取り性能の向上スピードはCPU性能の毎年2倍と比較にならないくらい早い。 いずれ生まれたときからDNAを解析して、病気や障害を調べるなど医療に役立てるため、個人IDカードに書き込み、それを保険証にして持ち歩くようなことになりそう。

 一方で最近DNAを証拠にした冤罪が発覚して、釈放された元容疑者がいたが、DNAが30億個の塩基からなっている現実や、かつては塩基ひとつひとつを調べるだけでも大変な時間をかけていたことを考えると、犯人特定や親子関係確認などは非常に怪しい。 今後その精度は驚異的に改善されていくだろうが、過去の鑑定結果は簡単に信用できない。 生半可なDNA信仰は、やめたがいい。