その中で研修力強化研修というものがあり、参加してみた。講師は元アナウンサーで、研修を始めてすでに20年以上、NHK退社後も講師として呼ばれている年配の方。これがなかなか大したもので何処が悪いかたちどころに指摘し、参加者のプレゼン(講義)をたちどころに直してしまう。さすがNHKで、それぞれの参加者の発表をビデオにとり、それをみんなで観て、同講師がアドバイスする。午後に再度発表をさせてみると、初回よりも大きく改善している。ビックリである。
ここでは、同講師が自分自身でも使っているというインストラクションのチェックポイントを記録しておく。
- 何を話すのか? <本番前>
- 目的は何かを言えるか
- 内容は研修の目的に沿って構成されているか
- 興味、関心の持てる動機付けを準備できたか。
- 最初に話す全体像は準備できたか。
- 全体の構成は「項目」の形で整理されているか。
- 何を話すのか?<本番にのぞんで>
- ここでは「何を」分かって貰えばいいのか、確認しながら進めているか。
- いま「全体」のどこを学んでいるのか、確認しながら進めているか。
- この「項目」では何を学んでいるか、確認しながら進めているか。
- 内容は目的に沿っているか。
- 説明に具体性はあるか。
- どう話すの? <本番にのぞんで>
- 「音のことば」を意識して話しているか。
- かまえず、「普段の話し言葉」で話しているか。
- 心を開いて話しているか。
- 声は聞き手に届いているか。
- 短いセンテンスで話しているか。
- 具体的に話しているか。
- 強調したいところは意識して話しているか。
- 聞き手を巻き込んでいるか。(聞いている人、聞いているつもりの人)
- アイコンタクト、身振り、手振りを使い話しているか。
- 情熱と自信を持って話しているか。
- <役立つ言葉>
- 結論から言うと・・
- 一言でいうと・・
- 要するに・・
- つまり・・
- 例えば・・
また、遠くに届かせるためには、声を高く、近くには低くする。そういう音の特質を知る事も重要。
さて、私はどんな指摘をされたか。
全体として、間の取り方、音のトーン、落ち着いた態度など、ありがたくも講師の先生の趣味には合うということだった。ただし・・・があって、厳しく言われた指摘は、
- 自分が大事を思っているメッセージをすべての人に伝わったかを意識するべき。
- 発声のトーンは良いが、どうしても語尾の声が小さくなる。(マイクを使う、あるいは出だしの音の高さを上げておくと、語尾も発声が綺麗になる。
- 強調したい、譲れないところはしっかり厳しくいう。普段と重要なところのメリハリをつける。
- 例示については、世代や教育、バックグラウンドの違いを乗り越えて皆にわかるかを考える。(バブル期の話を持ち出しても、若い人はわからない!)
- 最初の2分で結論を伝える。
雑学かもしれぬが、1秒は、「天気予報です。」のフレーズではかる。3秒なら3回繰り返す。
なるほど話す専門家だと思いつつ久し振りに役立つ話を聞かせてもらった。